文字起こしと聴覚障害者用日本語字幕製作者

動画のテロップを映画の字幕のように使う場合に気を付けたいこと四つ

2020/09/29
 
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自己紹介 1977年11月、神奈川県横浜市生まれ。 地方公務員として保健所勤務、派遣社員として病院勤務を経て2013年9月起業。取材や講演会、セミナーなどの音声を文字化し、それらを活用したい人々に向けて文書を制作している。 前職の経験を生かし、医療系、行政系を得意としている。 趣味は洋裁、読書。

こんにちは。カナ文字工房の関香奈枝です。今回は「動画のテロップを映画の字幕のように使う場合に気を付けたいこと四つ」というテーマで話を進めていきます。

Youtubeなどのプラットフォームが発達して動画配信が盛んになってきた昨今、動画の中にはテロップを字幕代わりにするものも増えてきました。日本語を学習している外国人の方、聞こえない方々、音を出せない場面で動画を視聴する方々など、字幕があることで初めて映像を楽しめる方々にとって、良い動きだと思います。今後も、テロップを字幕として利用される機会が増えることに期待したいところです。

良い動きである一方、字幕製作者の私が見ていると、せっかく字幕代わりにテロップを使っているのに読みにくいなと思うことが多くあります。しかり、ちょっとしたことに気を付ければ、読みやすい字幕代わりのテロップにもできるのです。さて、どんなことに気を付けたら映画の字幕のようにテロップを使えるのか、以下に解説していきます。

1 人間が読める文字は1秒当たり4文字から7文字程度なので、文字制限を守って作業しましょう

あなたは字幕代わりにテロップを、1秒当たり何文字で作っていらっしゃいますか。また、あなたは人間が1秒当たり何文字を読めるかご存じですか。あまり考えたことのない方も、多いのではないでしょうか。

実は映像翻訳や聞こえない方々が利用する字幕製作の場合、厳しい文字制限があります。文字制限のおおむねの基準は、以下のとおりです。

・映像翻訳の場合、1秒当たり4文字
・聞こえない人々が利用する字幕、1秒当たり5文字から7文字

制限文字数を大きく超えて作られたテロップだと、動画の視聴者は文字を読み切れないまま映像が流れていってしまうため、結果として動画そのものを理解しづらくなります。理解しやすくするためには、1秒当たりの文字数をカウントしながら作ることが求められます。

2 画面が文字で埋め尽くされないようにしましょう。

(1)2行から3行以内で、かつ1行あたり12文字から16文字程度に収めましょう

話者の口や内容を理解するのに必要なアクションをテロップで隠してしまうと、せっかくの動画を楽しめません。字幕代わりにテロップを使う場合には、2行から3行以内で、かつ1行あたり12文字から16文字程度に収めましょう。また、最近はスマートフォンから動画を視聴する方が多くなってきたので、1行当たりの文字数を少なめに設定しておくと、横幅が狭くできてさらに読みやすくなります。

(2)読みやすさを強調するためスペースを効果的に使いましょう。

映像翻訳や聞こえない方々のための字幕では、「。(句点)」を全角スペース、「、(読点)」半角スペースを使います。また、「!」「?」などの記号の直後にほかの文字が詰まっていると読みにくいので、読みやすさのためにスペースを入力することもあります。画面が文字で埋め尽くされないよう、スペースを効果的に使って読みやすくする工夫も大切です。

3 テロップの切り替え位置や改行位置に配慮しましょう

(1)文章の意味の切れ目で字幕切り替えをしましょう。

字幕代わりにテロップを使っている動画の中には、切り替え位置が息継ぎのタイミング合わせているものが多く見受けられます。音声波形を見ながらカット編集をする際、息継ぎのタイミングで切り替えをするのはとてもやりやすいと思います。その結果、音なしで映像を見た際に文字だけで内容を理解しづらいものとなってしまいます。字幕代わりにテロップを使う際には、カット編集時にも言葉の意味の切れ目に気を付けて切り替え位置を設定するようにしましょう。

(2)改行位置を設定する際も、文章の意味の切れ目を意識しましょう

改行位置によって、本来の意味と全く違った意味に伝わってしまうことがあります。視聴者さんに誤解を与えずに動画の内容を理解していただくことは、最も大切なことではないでしょうか。誤解を防ぐため、文章の意味の切れ目に加えて単語内、接続詞の途中などでは改行しないことを心がけましょう。

(3)改行を上手に利用し、話者の判別に役立てましょう

話者が変わっているのに同じ字幕内でずっと文字を表示すると、どのタイミングで話者が変わったのかが分かりにくくなります。話者が変わったら、テロップそのものを切り替えると読みやすくなります。テレビ字幕のような使い方をするのであれば、話者一人一人に文字色を割り当てる方法も有効です。

4 文字表記を統一しましょう

たまに見かける例として、一つの単語で二つの表記方法がテロップ内に存在することがあります。これは表記揺れといいます。この表記揺れがあると、文字の読み手が単語一つ一つの意味をいちいち考えなければならず、読みづらいテロップとなってしまうのです。表記揺れがある状態は、読み手にストレスを与えてしまいます。ストレスを与える動画を作成しないよう、テロップの文字表記を統一しましょう。

まとめ

以上、今回は「テロップを映画の字幕のように使う場合に気を付けたいこと四つ」というテーマで話を進めました。ちょっとしたことに気を付ければ、それほど難しくなく字幕代わりにテロップを使うことが可能です。この記事をお読みのあなたにも試していただけたら、うれしいです。現代人はとても忙しいので、少しでも読みにくいテロップだと簡単に離脱されてしまい、最後まで動画を見てもらえません。

もしあなたが読みやすい字幕代わりのテロップを作るのが大変、1秒当たりの文字数なんてカウントできない、表記統一もばっちりの書き起こし原稿を作成してほしいということであれば、喜んで対応させていただきます。

ご連絡を、お待ちしております。

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自己紹介 1977年11月、神奈川県横浜市生まれ。 地方公務員として保健所勤務、派遣社員として病院勤務を経て2013年9月起業。取材や講演会、セミナーなどの音声を文字化し、それらを活用したい人々に向けて文書を制作している。 前職の経験を生かし、医療系、行政系を得意としている。 趣味は洋裁、読書。

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