カタカナ語の表記にご用心ください

こんにちは、カナ文字工房の関 香奈枝です。
今回は『カタカナ語の表記にご用心ください』というテーマでお話を進めていきます。
私たちの生活になじみのある、カタカナ語。
カタカナ語にも書き方に気を付けなければならない言葉がありますので、それらの例を挙げて説明していきます。
(今回は、記者ハンドブック表記にて解説しています)
カタカナ表記のクイズ
突然ですが、ここでクイズです。
以下のカタカナ語、正しい表記はどっちでしょう?
(1)シミュレーション・シュミレーション
(2)コミュニケーション・コミニュケーション
(3)(食べ物の)ピーナツ・ピーナッツ
(4)ウオッチ・ウォッチ
(5)アタッシュケース・アタッシェケース
クイズの解答
(1)正解→シミュレーション
英単語「Simulation」の書き方や発音から、正しい表記が判明する例です。
英語で「シミュレーション」と発音していることから、「シミュレーション」と表記するのが正解となります。
(2)正解→コミュニケーション
英単語「Communication」の発音から、正しい表記が判明する例です。
英語で「コミュニケーション」と発音していることから、「コミュニケーション」と表記することが正解となります。
(3)正解→ピーナツ
ピーナッツと書いてしまいそうですが、「ピーナツ」が正解です。
つまる音「ッ」は、原音ではっきりしているもの以外は、省略することとなっています。
(4)正解→ウオッチ
ウオッチの場合、「オ」を大きく表記することが固定しているため、「ウオッチ」が正解です。
原音で「ウィ、ウェ、ウォ」の音は、慣用が固定しているものは「ウイ、ウエ、ウオ」と表記し、原音に近く書き表す場合は、「ウィ、ウェ、ウォ」と表記します。
(5)正解→アタッシェケース
外国語の発音から、正しい表記が判明する例です。
「アタッシュケース」と発音してしまう人も多いのですが、フランス語では「アタッシェ」発音していることから、「アタッシェケース」が正しい表記となり、「アタッシュケース」と書いてしまうのは間違いなのです。
アタッシェ(Attaché)とは、フランス語で大使館に派遣される専門職の人という意味で、その方たちが書類を入れるために角形の書類かばんを好んで使っていたことから、「アタッシェケース」と名付けられたのです。
まとめ
ほかにも気を付けたいカタカナ語はあるのですが、たくさんあり過ぎるため、今回は割愛させていただきます。
正しい表記は、自分がよりどころとしている辞書をきちんと調べて表記していくことが大切です。
こうした細かいことにも気を付けながら表記をしていくと、正確な原稿を仕上げることができます。
慣れないうちは、単語が出てくるたびによりどころとしている辞書を引く癖をつけると、正しい表記を覚えやすくなるでしょう。
辞書を引くのはとても時間がかかるように感じるのですが、表記を覚えていけば辞書を引く回数が減ってくるので、作業も早く終わるようになります。
日本語入力システムATOKでは、記者ハンドブックおよびNHK漢字表記辞典のプラグインというものが用意されています。
これらのプラグインは、漢字変換を行ったときに記者ハンドブックでの表記やNHK漢字表記辞典での表記をPCモニター上で確認できて辞書を引く回数を減らすことに貢献してくれる、ありがたいツールです。
ATOKプラグインはとても便利ですので、お使いになってみるのも一つの方法かと存じます。
記者ハンドブックとNHK漢字表記辞典のプラグインは、同時に常駐させることも可能です。
どちらの表記も仕事として使う場合には、両方のプラグインを設定して使えるようにしておくことを個人的にはお勧めします。
私の場合、クライアントによって記者ハンドブック、NHK表記辞典を使い分けております。
標準用字用例辞典にはATOKプラグインがありませんので、自分で単語登録をすることや辞書を引くことを通して覚えていきましょう。
ATOKプラグインに興味のある方は、以下のリンクをクリックしてみてください。
NHK漢字表記辞典のプラグインに興味がある方は、以下のリンクをクリックしてみてください。
ほかにも表記についてまとめた記事をご用意しておりますので、合わせてお読みいただけたらうれしいです。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
この記事が、あなたの何かに役立てば幸いです。